VOL.1
2022/01
畜産と環境問題との繋がり
環境負荷を減らす「食」からのアプローチ!
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皆さんの中には牛肉が大好きな方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
精肉を作るのに、地球の資源をたくさん使っていることをご存知ですか?
人間が畜産をたくさん増やしてきた結果、今、地球上には大量の畜産動物がおり、
地球に大きなインパクトを与えています。
そのうち2つのインパクトについて、少しみていきましょう。
①地球温暖化を及ぼす温室効果ガス
現在、畜産から出ているCO2を含む温室効果ガスと、全ての交通機関(全ての車、飛行機、バス、船等)から排出される温室効果ガスは、同じくらいだと言われています。
それは、牛や羊がゲップするときにメタンガスという、CO₂に比べて25倍の地球を温める影響を及ぼす温室効果ガスが出ているからです。
出典:IPCC 2014; Smith, P., et al. 2014.
また、牛から作られる牛乳やチーズ等の生産時に排出されるCO₂は、
他の動物に比べて比較的多いと言われています。
食品 CO₂/キロ
牛肉 12.3kg
バター 9.2kg
チーズ 5.8kg
豚肉 4.2kg
鶏肉 3.9kg
出典:IFEU-Institut für Energie- und Umweltforschung Heidelberg berechnet (IFEU, Heidelberg, 2016) https://www.klimatarier.com/de/Fragen/Glossar#CO2Lebensmittel
②資源の過剰消費
世界の大豆生産量の8割以上は、畜産の餌として使われています。
肉牛を育てるために広大な大豆畑と放牧地を必要とするため、
熱帯雨林を開墾していき、それが熱帯雨林破壊において
全体の90%を引き起こしたとも言われています。
また、牛は平均で一日120リットルの水を飲んでいますが、
人間一人が100日くらいで飲む水の量と同じです。
現在、世界できれいな水を飲むことが出来ない人は、
7億8500万人(日本の人口の約6倍)といわれ、
そして、飢餓で苦しんでいる人は8億人もいると言われています。
畜産のためにたくさんの資源が使われています。
私たちができることは?
大豆や水などを、畜産の餌のために使う代わりに、
きれいな水を飲むことができない人や、
飢餓で苦しんでいる人たちのために使えたら、
いろいろな社会問題の解決にも繋がります。
ドイツでは、今10人に1人がベジタリアン(肉・魚を食べない人たち)と
言われています。欧州では、大豆ミートや豆乳チーズも人気ですし、
日本でも最近スーパーで売られています。
ベジタリアンにならなくても、
お肉や乳製品を減らすだけでも大きなインパクトがあります。
そして、食事を残さないことなど、適切な食事量も大切です。
食料を廃棄しないことも、重要な観点です。
将来の世代のために、私たちの子供たちのために、きれいな地球を残せるように
まず、「減らす」ことからスタートしてみませんか?